コラム

2024.09.20

シフト変更が違法になるパターンとは?注意点やシフト管理のコツを紹介

シフト管理

シフト管理において、作成後にシフト変更が必要になることは頻繁にあります。
しかし、シフト変更を適切に行わないと、トラブルの原因となり、場合によっては違法と判断されることも。
特に、従業員の合意を得ない一方的な変更は、法的なリスクが発生し、従業員からの信頼を損なう恐れがあります。
この記事では、シフト変更が違法になる具体的なケースや、シフト変更時に注意すべきポイントを詳しく解説します。

1.シフト変更が違法になるケース

1.シフト変更が違法になるケース

企業が本人の同意なく勝手にシフトを変更するのは違法です。
労働契約法第8条では、「労働契約を変更する際は労働者と使用者の合意が必要」と定められており、会社の一方的な都合でシフト変更をすることは許されません。

具体的なケースを見ていきましょう。

(1)シフト決定後に本人の同意なく休みにするのは違法

シフト決定後、従業員の同意を得ずに休みにする行為は違法となる可能性があります。
労働契約では、従業員に対して定められた労働時間や勤務日が確定されます。
雇用者が一方的にシフトを変更することは、契約に反するためです。

(2)閑散期に本人の同意なく早退させることも違法

閑散期など、業務量の減少を理由に従業員を同意なく早退させることも違法です。
シフトが決定している場合、その時間内に働く権利が従業員にあります。
業務が早く終わったり、予想より仕事が少なかったとしても、従業員の労働契約に基づく勤務時間が守られることが理想です。

(3)シフト決定後の時間外労働や勤務日の追加は?

基本的に、労働者の同意を得ずに勤務日数や勤務時間を変更することは認められていません。
ただし、就業規則に時間外労働や休日労働を命じる場合がある旨を明記しておくことで、労働者の同意がなくても従事させることができます。
トラブル防止の為、あらかじめ就業規則の内容を周知しておきましょう。

2.休業手当が必要になるケースとは

2.休業手当が必要になるケースとは

会社都合のシフト変更は「休業手当」が必要になる場合も。
休業手当とは、会社都合で休業した際に労働者に支払われる手当のことです。
経営難や事業の縮小などで休業する場合、休業手当を支払うケースが多くあります。

(1)会社の都合でスタッフを休ませる場合は休業手当の支払いが必要

地震や悪天候などの自然現象によるやむをえない場合を除き、会社の都合でスタッフを休ませる(早退させる)場合には休業手当が必要です。


具体的には以下のケースが当てはまります。
・人件費削減のためにスタッフの業務量を減らしたい
・態度がよくないスタッフを休ませたい など

(2)自然災害や非常事態の場合は休業手当不要

地震や台風などの天災、設備の故障、計画停電、新型コロナウイルス感染拡大時の緊急事態宣言などの場合は、企業側の責任ではないため、休業手当の支払は不要とされています。

ただし、2020年の緊急事態宣言時、テレワークで事業が続けられる場合に休業した場合は手当の支払い義務が生じています。
一方で、対面での営業が必須なサービス業や職場での作業が必要な製造業など、テレワークが不可能な業種は、行政から休業が要請された際、手当不要と判断されています。

(3)休業手当の計算方法

休業手当は平均賃金の6割以上を支払うことが義務付けられています。

具体的な計算式は
休業手当=平均賃金×0.6以上×休業日数となります。
ここでの平均賃金は「算定期間中の賃金総額÷3ヶ月間の総日数」です。

算定期間中の賃金総額は、休業日前日から3ヶ月間を指します。
なお、企業の過失での休業であれば、賃金全額の支払いが定められています。
また、労働時間を短縮した場合に「1日あたりの平均賃金の6割以上」を支給すれば、急魚手当は不要です。

【補足】休業手当と休業補償のちがい

休業手当と似ている言葉として「休業補償」があります。
休業補償は、業務中に発生した怪我や病気等の労働災害のせいで働けない場合に、休業するスタッフの収入を補償するためのものです。
休業手当は「平均賃金の6割以上」を支払うことが義務付けられているのに対し、休業補償は「平均賃金の6割」と決められています。

3.シフト変更でトラブルにならないために

3.シフト変更でトラブルにならないために

急な業務の変化やスタッフの事情により、シフト変更が必要になる場面は少なくありません。
しかし、シフト変更を適切に行わないと、従業員との間でトラブルが発生するリスクがあります。
シフト変更を円滑に行い、トラブルを防ぐための具体的なポイントを紹介します。

(1) 事前に十分な合意を得る

シフト変更を行う際は、従業員との合意が不可欠です。
特に勤務日や時間の変更が発生する場合、変更理由を明確に伝え、従業員の了承を得ることが重要です。
同意を得ずに変更を行うと、トラブルや不満が生じる可能性が高くなります。
メールやメッセージで記録を残すことで、後からの確認が容易になります。

(2) 早めに変更通知を行う

シフト変更はできるだけ早い段階で通知することが重要です。
直前に通知されると従業員のプライベートな予定を変更する必要が出たり、仕事の準備ができない場合があります。
余裕を持った通知を行うことで、従業員の不満を避けることができます。

(3)変更理由を明確に伝える

シフト変更の理由をしっかり説明することも大切です。
従業員が変更の背景を理解できれば、納得してもらいやすくなります。
急な欠勤が発生した場合や、業務の需要が変わった場合など、事情を共有することで信頼関係を築けます。

(4) 柔軟な対応を心がける

シフト変更には柔軟な対応が求められます。
例えば、シフトを変更する代わりに、別の日に勤務を振替するなど、従業員の都合に合わせた対応を行うことがポイントです。
双方が納得できる形で調整が進み、トラブルの発生を防ぐことができます。
また、従業員とのコミュニケーションを円滑に保ち、信頼関係の強化にもつながります。

4.法的リスクを回避!シフト管理システムでできること

法的リスクを回避!シフト管理システムでできること

シフト管理における法的リスクを回避するためには、適切なシステムの導入が不可欠です。
シフト管理システムを活用すれば、履歴の記録や自動通知、法令に準拠したシフト作成が可能になり、リスクを大幅に軽減できます。
ここでは、シフト管理システムがどのように役立つか、具体的な機能とそのメリットについて解説します。

(1) シフト管理システムを使った履歴の記録と確認

シフト管理システムでは、シフトの変更履歴を自動的に記録し、後から確認可能です。
従業員の勤務シフトがいつ、誰によってどのように変更されたのかを正確に残すことで、シフト変更に関するトラブルや誤解を防ぐことができます。
また、シフト変更が労働基準法に違反していないかの確認も容易になります。
履歴の保存により、万が一トラブルが発生した際にも証拠として役立つため、法的リスクの低減が可能です。

(2) 変更通知の自動化でトラブルを防止

シフト管理システムなら、シフト変更が発生した際に従業員へ自動的に通知を送ることができます。
通知の遅れや伝達ミスといったトラブルを防ぎ、従業員はリアルタイムで変更内容を把握できるため、スムーズに対応可能です。
通知が自動化されていることで、迅速かつ確実に情報を届けることができ、合意を得るための時間的余裕も生まれます。

(3) 労働基準法に準拠したシフト管理の自動化

シフト管理システムには、労働基準法に準拠した勤務時間や休憩時間の設定が組み込まれていることが多く、違法なシフトの作成を未然に防ぐことができます。
例えば、過剰な勤務時間や連続勤務の制限をシステムで管理することで、法的に問題のないシフトを自動で作成できる仕組みが整っています。
労働基準法違反による罰則を避け、従業員の労働条件を適切に管理することが可能です。

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小売業・サービス業のシフト管理システム「アールシフト」

(1)小売業・サービス業の導入店舗数1万店超

アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2024年と5年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。

全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。

(2)柔軟にカスタマイズ可能

選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。

「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。

標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。

(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現

アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。

(4)直感的に操作できる現場志向のシステム

高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。
基本操作はマウスだけでOK。
公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
システム自体の素早いレスポンスも好評です。

アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。
シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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