コラム
2023.12.20
クラウド型シフト管理システム9選!クラウドの良さを専門家が解説
システム
シフト管理
シフト管理をどの様なインフラ環境で動かすかということは、極めて重要なテーマですが、近年ではクラウドコンピューティングの進展からクラウドを利用するケースが増えています。
当コラムでは、シフト管理システムをクラウド環境で稼働させるメリットと、クラウド運用における留意点などについて書いています。また、オーエムネットワーク社が提供するクラウド型シフト管理システム「アールシフト」のクラウド方針についても記述していますので、参考にして頂ければと思います。
目次
1.そもそもなぜ今「クラウド型」が主流なのか
◆クラウドサービスを利用する理由
今では、経理処理や給与計算はもちろん、勤怠管理からシフト管理にいたるまで、実に多くのシステムがクラウドを用いてサービス提供されています。それ以前は、専用のソフトを自社のコンピュータ内にインストールして使用する形式が大半でしたが、その割合は急速に低下しています。
総務省の情報通信白書(令和2年版)によると、情報処理でクラウドサービスが普及している主な理由として、以下の調査結果が示されています。
- 資産、保守体制を社内に持つ必要がないから(45.9%)
- 場所、機器を選ばずに利用できるから(43.3%)
- 安定運用、可用性が高くなるから(36.8%)
- 災害時のバックアップとして利用できるから(32.6%)
- サービスの信頼性が高いから(25.9%)
- システムの容量の変更が迅速に対応できるから(24.8%)
- 既存システムよりもコストが安いから(18.6%)
- システムの拡張性が高いから(18.4%)
- その他(9.9%)
(出典: 総務省|令和2年版 情報通信白書|企業におけるクラウドサービスの利用動向)
これらの理由を見ると、一見して大企業よりも中堅・中小企業にとって、より効果の大きいものである様に思われます。
しかし、近年では、資金や人材に比較的余裕があると思われる大企業でも、クラウドサービスの普及は進んでいます。今後は、企業規模に関わらず、多くのシステム分野でクラウドサービスが普及してくるものと想定されます。
◆クラウドサービスの利用形態について
クラウドサービスには、コンピュータ機器を複数の企業で共同利用する「パブリッククラウド」と、自社専用のコンピュータ機器をクラウド上で使用する「プライベートクラウド」の2つに大きく分けられます。
更に「プライベートクラウド」は、自社でインフラの構築・運用を行う「オンプレミス型(所有型)」と、資産を持たずにクラウド事業者からインフラをサービスとして提供を受ける「ホステッド型(利用型)」があります。
一般的にクラウドシステムと言うと「パブリッククラウド」を指しますが、シフト管理システムでも「パブリッククラウド」を利用するケースが多いと言えます。その理由として、以下の様な点が挙げられます。
- シフト管理を短期間で導入したいというニーズが多い。
- シフト管理を低コストで運用したいというニーズが多い。
- シフト管理ではCPU能力などをアップさせる局面が多い。ほか
この様な理由から、シフト管理システムを稼働させるクラウド環境では、「パブリッククラウド」が中心になっています。
◆クラウド型シフト管理システム9選
情報処理分野でクラウドサービスが採用されている主な理由は前述したとおりですが、シフト管理システムでは、自社導入型のパッケージソフトとして販売されてきた実績が少ない為、逆にクラウドサービスとして普及し易い状況にあったことも理由として挙げられます。
主要なシフト管理システムの中で、クラウド型でサービス提供しているものを挙げました。
システム名 | メーカー名 | 特徴 |
---|---|---|
アールシフト | オーエムネットワーク株式会社 | 店舗向けシフト管理システム「アールシフト」は、各業種の特性を十分に考慮して開発されたクラウド型のシフト管理システムです。 |
SHIFTEE | 株式会社システムサポート | 小売業(アパレル、コンビニ、スーパー)、飲食、コールセンター、宿泊施設など あらゆる業種でご利用頂き、お客様からの要望・改善を120以上組み込んだ本当に使いやすいクラウド型シフト管理システムです。 |
勤務シフト作成お助けマン | 鉄道情報システム株式会社 | シフト表作成の際に考慮するさまざまな勤務条件が登録でき、複雑なシフト表も自動で作成。シフト表作成の省力化を実現します。クラウドサービスなので、大掛かりなシステムは必要ありません。簡単にすぐに利用することができます。 |
シフオプ | 株式会社リクルート | 飲食、小売、サービス業に限らず、あらゆる業種業態に対応、複数の店舗間でアルバイト・パートのシフトやスタッフの共有を実現できるクラウドサービスです。 |
Airシフト | 株式会社リクルート | シフト表の作成はもちろん、スタッフとのやりとりや細かな調整業務もラクになるシフト管理サービスです。さらにスタッフはいつでもどこでもシフトの提出・確認ができ、スタッフにも喜ばれます。 |
oplus | oplus株式会社 | oplusはより円滑でスムーズなシフトの作成と管理を可能とするクラウドサービスです。操作もシンプルな物なのですぐに運用することが可能です。 |
Optamo | 株式会社モーション | スタッフのスキルや労働時間の上限などから、AIが最適な勤務シフト/タスク表を自動作成するクラウドサービスです。 |
セコムかんたんシフトスケジュール | 株式会社セコム | シフト自動割付機能、勤務シフト調整支援機能、AIリコメンド機能を、警備サービス国内首位で有名なセコムが運営している提供するクラウドサービスです。 |
Shiftmation | 株式会社アクシバース | 人工知能が勤務シフトを自動で作成。シフト表の補正や自動割り当てで業務を効率化できるクラウドサービスです。 |
(注)上記の機能比較は、オーエムネットワーク社が独自に調査したものであり、記述内容に対する責任は全てオーエムネットワーク社にあります。
また、上記は2021年6月時点のものであり、現時点では変更されている可能性がありますことをご了解願います。
2.シフト管理におけるクラウドサービス利用上の留意点
◆シフト管理ではセキュリティ対策に十分配慮を
AWSやIDCなどのクラウド事業者のコンピュータ資源を利用する場合のセキュリティ対策は、基本的には利用者の自己責任になります。実際には、シフト管理システムなどをクラウドサービスとして提供するシステム会社がその責任を負うことになります。
シフト管理システムの場合、従業員の個人情報を多く取り扱いますから、セキュリティ対策には特に注意する必要があります。
シフト管理における基本的なセキュリティ対策としては、①FW(ファイアウォール)、②IPS/IDS(不正侵入防止)、③WAF(アプリケーション・ファイアウォール)④ウイルス対策ソフトなどとなりますが、更に、データの暗号化は実施したい対策ではあります。
しかし、データの暗号化に関しては、①レスポンスの低下を招く、②データの取扱が複雑になる、③コスト面で負荷となる、などのデメリットもあります。
そこで、シフト管理上の全てのデータを暗号化するのではなく、万一データ漏洩が起きたとしても絶対に解読されたくない項目に絞って、暗号化することも一つの考え方であると思います。
例えば、シフト管理の特性を理解した上で、以下の様な項目に絞って暗号化対応を行うのも良い方法だと思います。
- 個人情報(氏名、生年月日、所属、メールアドレス、など)
- ログイン情報(ID、パスワード)
その他、シフト管理におけるセキュリティ対策上で考慮すべき点として、ウイルス対策ソフトよる処理効率の低下があります。特に、ウイルス対策ソフトによるリアルタイムスキャンには注意が必要です。
すべてのシフト管理処理に対してリアルタイムスキャンを実施すると、場合によっては、大幅な処理効率の低下を招くことがあります。従って、リアルタイムスキャンと定期的な一括スキャンの使い分けを行うことも、シフト管理を運用する上では必要かと思います。
◆データ量の増大と処理能力のバランスを
シフト管理システムを稼働させて行くと、稼働店舗数の増加や従業員数の増加に合わせてデータ量は増大していきます。その際、CPU能力の低下やディスク容量の不足、回線負荷の増大と言ったことが起こり得ます。
クラウドサービスにおけるコンピュータ資源の適正化は、全てクラウドサービスを契約して利用している会社の責任になります。従って、クラウド事業者のコンピュータ環境を利用する際には、適宜CPU使用率やディスク使用率、回線負荷率をモニタリングする必要があります。
もし、コンピュータ資源が不足するような場合には、素早く能力アップを図り、シフト管理の運用に大きな影響を与えないようにする必要があります。
クラウドが利用されている理由の一つに、「データ量の増大にも柔軟に機器増設が可能である」がありますが、正にこの点がクラウドでシフト管理を行なう大きな理由になっています。
◆シフト管理におけるクラウドの今後
今後ともシフト管理では、クラウドを中心にサービス提供を拡大させていくものと思われます。その際の方向性としては、パブリッククラウド型とプライベートクラウド型の2つに分かれていくものと想定しています。
主にセキュリティ面から自社独自サーバーにこだわる企業は、プライベートクラウドを選択し、一方、コスト面や運用面にこだわる企業は、パブリッククラウドの導入が選択されるものと言えます。
また、導入パッケージシステムに対してカスタマイズが必要か否かでも分かれてきます。通常、カスタマイズが伴う場合はプライベートクラウドを選択し、カスタマイズが伴わない場合にはパブリッククラウドを選択するものと言えます。
やはり、カスタマイズが伴う場合は、共同利用が難しくなりますので、プライベートクラウドを選択するのが一般的であると言えます。
この様な状況にありますが、クラウドサービスの進化に合わせて、シフト管理でも上手くクラウドサービスを取り入れ、利用者への利便性を向上させていきたいものです。
導入実績No.1シフト管理システム「アールシフト」
(1)小売業・サービス業の導入店舗数1万店超
アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。
おかげさまで2020年〜2024年と5年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。
全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。
(2)柔軟にカスタマイズ可能
選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。
シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。
アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。
「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」
「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」
といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。
標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。
お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。
(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現
アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。
誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。
(4)直感的に操作できる現場志向のシステム
高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。基本操作はマウスだけでOK。公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。
システム自体の素早いレスポンスも好評です。
【補足】アールシフトのクラウド対応
◆アールシフトのクラウド構成
<アールシフトのクラウド構成イメージ>
アールシフトのクラウド構成イメージは図の通りです。
特徴としては、
- パブリッククラウドを前提としたシステム構成になっている
- WEBサーバは、ロードバランサによって負荷分散が適切に行われている
- DBサーバ(データベースサーバ)は、共用型、専用型のいずれにも対応している
などが挙げられます。
◆アールシフトのセキュリティ対策
アールシフトのセキュリティ対策としては、
- FW(ファイアウォール)
- IPS/IDS(不正侵入防止)
- WAF(ウェブアプリケーション・ファイアウォール)
- ウイルス対策ソフト
- 個人情報の暗号化
などが挙げられます。
(注)一部機能は、オプションでの提供となります。
◆アールシフトの障害対応
アールシフトの障害対応としては、
- データベースの夜間一括バックアップ
- データベースの二重化対応(クラスタリング構成)
- 大規模障害時用の遠隔地バックアップ(300km以上離れた拠点に退避)
などが挙げられます。
(注)一部機能は、オプションでの提供となります。
◆アールシフトのモニタリング対応
アールシフトのモニタリング対応としては、
- CPU使用率の監視
- ディスク使用率の監視
- ネットワーク使用率の監視
- メモリ使用率の監視
などが挙げられます。
アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。
シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!