コラム

2023.12.20

シフト管理におけるエクセルの役割と注意点

シフト管理

シフト管理におけるエクセルの役割と注意点

シフト管理を実践する上では、シフト表の作成は当然必須となります。
そのシフト表を作成する手段として、従来からエクセルが頻繁に使われてきました。
手作業で作成するシフト表のほぼ100%近くが、エクセルを使用していると言っても過言ではないと言えます。

エクセルでは、

  • 自由にマクロや関数を組み込むことができる
  • 無償のテンプレートが豊富にある
  • スプレッドシートと勤務シフト表との親和性が高い
  • ガントチャートと作業割当表との親和性が高い
  • エクセルで作成したフリーソフトが利用できる、等々

などと言ったメリットがあり、エクセル人気の主な理由になっています。

しかし、近年、エクセルでのシフト管理(シフト作成)の課題が盛んに言われる様になってきました。
確かに、エクセルは汎用性が高く自由にシフト表を作成できますが、その分機能が複雑になり、シフト作成者の作業負荷は大きくなり易いです。 特に、多店舗展開をしている小売業やサービス業においては、統一の取れないシフト表が増加し、大きな課題としてクローズアップされています。

シフト作成者の悩み

当コラムでは、エクセルのメリットとデメリットを明確にし、エクセルの有効利用はどうあるべきかを考えていきたいと思います。

1.シフト管理上でのエクセルのメリットとは

◆シフト表の無料テンプレートが豊富にある

インターネット上では、数多くの無料テンプレートがダウンロード可能となっています。業種を問わず使用可能な「月間シフト表」、「日別シフト表」や、「コンビニ向け」、「飲食店向け」などと言った業種を絞ったテンプレートもあります。

また、「単店舗向け」や「複数店舗向け」と言った店舗の形態別にテンプレートを提供しているものもあります。その他にも、数多くのテンプレートがフリーでダウンロード可能となっていますので、自社の要望にあったテンプレートが見つかれば、比較的短期間でシフト表の利用が可能になっています。

しかし、やはり自社で実際に使用するとなると、レイアウトのアレンジや、最低限の機能を組み込むためのマクロ作成、出力イメージのアレンジ、などが必要になる場合もありますので、全くそのまま利用できるとは考えない方が良いと思います。しっかり準備をした上で、無料テンプレートの導入を進めてもらいたいものです。

◆シフト対象人数が多くなければメリットは十分ある

シフト管理(シフト作成)における複雑さの一つに、シフト対象人数があります。
仮に、シフト対象人数が20名位までであれば、エクセルを使用してシフト表を作成しても、時間的にもコスト的にも十分メリットはあると言えます。 各従業員からのシフト希望の収集や日々の仕事の段取りにしても、20名前後であればエクセルでも十分対応は可能だと言えます。

働く人
マクロ

また、エクセルのマクロや関数を上手く組み込むことで、以下の様なことも可能になります。

  • 入力時のエラーチェックを自動化する
  • 時間計算、日数計算などを自動化する
  • 関連する論理チェックを自動化する
  • 時間計算、日数計算などを自動化する
  • 自社にマッチしたエントリーフォームを作成する
  • 自社にマッチしたアウトプット帳票を作成する、等々

この様な機能を有したマクロや関数を組み込むことで、エクセルをより有効に活用できる様になります。
実際、エクセルで作成されたシフト作成ソフトの多くは、様々なマクロや関数を駆使して作成されています。

◆シフト管理が複雑でなければメリットは十分ある

シフト管理上の必要機能としては

  • 国の定めた労働基準法に則ったシフト表の作成
  • 従業員と交わした雇用契約書に則ったシフト表の作成
  • 日々の必要人員を満たしたシフト表の作成
  • 日々の作業が確実に実施できるシフト表の作成
  • 作成したシフト表の従業員へのフィードバック

などと言った多くの機能を、シフト管理上では必要としています。

労働基準法
契約書

これらの必要機能を考慮したシフト表を作成する場合、必要機能の複雑度合でシフト作成者の労力は大きく異なってきます
例えば、従業員と交わした雇用契約が複雑であったり、従業員によってかなりの違いがある様な場合では、シフト作成者の確認作業やエントリー作業はどうしても多くなります。
一方、複雑度合がそれ程大きくなければ、最終的に確定したシフト表を作成するまでの時間と労力は、問題になる様なレベルではないと言えます。
また、シフト作成時の間違いなどが発生する確率も低くなりますから、確認に要する時間や労力もそれ程ではないと考えられます。
従って、シフト管理に求められる要件がそれ程複雑でなければ、エクセルで作成するシフト表でも十分メリットはあると言えます。

◆コスト面と手軽さで考えればメリットは大きい

エクセルを使用する最大のメリットは、やはりコスト面ではないでしょうか。
前述したマクロや関数を組むことができれば、一通りのシフト管理は実現できると思います。

コストカット1
コストカット2

また、シフト管理は経理システムや給与システムなどとは異なり、かなり曖昧なところがあります。
ベストなシフト管理やシフト表と言っても、作成する人によっても異なりますし、店舗の置かれている状況によっても異なります。

この点、エクセルの汎用性からすれば、各店舗の個別事情も比較的柔軟に取り込むことが可能になります。
一方、市販のシフト管理システムなどを使用する場合には、各店舗の個別事情を取り込むことは相当難しくなります。
不可能ではありませんが、それなりのコストをかけてカスタマイズを行う必要があります。

以上の様な点から、条件さえ合えば、エクセルはコスト面と手軽さで良い選択肢であることは確かだと言えます。

2.シフト管理上でのエクセルのデメリットとは

◆シフト対象人数が多いとデメリットになる

前述した様に、シフト対象人数が多くなければ、エクセルのメリットは出ますが、シフト対象人数が多くなると、実際にはかなりデメリットが出て来ます。

では、どの様なデメリットが出て来るかと言うと、

  • 各従業員からの希望休収集などが増え、事前の調整に多くの時間がかかってしまう
  • シフト決めのパターンが飛躍的に多くなり、シフト作成時間が大幅に増加してしまう
  • 月中でのシフト変更要望も増える為、シフト修正に多くの時間がかかってしまう
  • 突発休なども増える為、欠員対応に多くの時間がかかってしまう、等々

この様なデメリットが発生すると、シフト管理者の負担は増大し、日々のシフト調整で疲弊してしまうケースも少なからず見受けられます。その結果、シフト管理者の退職というケースもあり得ますし、従業員からの不平不満を吸収できずに、従業員が退職するというケースも起こり得ると言えます。

シフト調整欠員募集
<シフトの調整作業><欠員発生時の対応>

◆シフト管理が複雑になるとデメリットになる

エクセル上で様々なルールや制約を実現しようとすると、マクロや関数を組み込む必要があることは前述したとおりですが、その内容が複雑になるとさまざまなデメリットが生じてきます。
では、どの様なデメリットが生じるかと言うと、

  • マクロや関数が複雑になると、処理時間が多くかかってしまう
  • ルールの変更等があると、マクロや関数のメンテナンスに手間がかかってしまう
  • マクロや関数の作成者が退職すると、誰も手を出せなくなる場合がある
  • セキュリティ面が脆弱であり、データ流出などの危険性がある、等々

この様なデメリットが発生すると、業務の停滞や思わぬ事故を引き起こしてしまうこと考えられます。

情報管理

◆統一したシフト管理を行う場合はデメリットになる

エクセルは汎用性が高い分、各店舗のシフト作成者が自由にシフト表を改変することが可能です。
その結果、各店舗でバラバラなシフト管理を行っているとうケースが多く見受けられます。

また、エクセルで作成した各店舗のシフト表を本部に収集し、それを分析するのも大変な手間になりますから、現実的には、本部から店舗の実情が把握できていないのが実態ではないでしょうか。
その結果、シフト管理が店舗任せになっているケースも多いと思います。
チェーン展開をしている企業では、この様な状況は是非とも避けたいところですが、現実的には非常に難しい課題の一つになっています。

3.シフト管理上でエクセルをどう活用すべきか

これからのシフト管理は、自社で必要な機能が満たされているクラウド型のシフト管理システムを導入して行うのが主流になってくると思いますし、その流れは加速していると言えます。

クラウド型システム

では、エクセルをどの様に活用すべきなのかという点ですが、自由にデータ加工ができるというエクセルの汎用性の高さを上手く活用することだと考えています。

オーエムネットワーク社の店舗向けシフト管理システム「アールシフト」では、エクセルを以下の様な用途で活用しています。

  • 人事システム側から従業員情報などをエクセルデータで取り込みを行う
  • 次月の勤務予定データを勤怠システム側にエクセルデータとして渡す
  • 確定した月間シフト表をエクセル出力し、2次加工用として活用する
  • 確定した作業割当表をエクセル出力し、2次加工用として活用する
  • 投入人時実績をエクセル出力し、各種管理帳票用として活用する、等々

エクセル活用の図

この様な形でシフト管理システムとエクセルとがデータ連携することで、エクセルのメリットを上手く引き出すことが可能になると考えています。 今後ともエクセルは極めて重要なツールであり続けるはずですので、更なる活用の領域を探求していく必要あると思われます。

アールシフトの具体的な機能に関しては、 当サイトのトップページ をご覧ください。

4.まとめ

今回はシフト管理を実践する上でのエクセルの役割と注意点について紹介しました。無料のテンプレートを利用することで、自社のシフト表を短期間かつ効率的に作成することが可能です。しかし、エクセルの汎用性の高さゆえに、統一の取れないシフト表が各店舗で利用され、制御不能になる可能性もあります。

小売業・サービス業のシフト管理システム「アールシフト」

R-Shift

(1)導入店舗数1万店超のシフト管理システム

アールシフトは、小売業やサービス業のシフト管理に特化したシステムです。

おかげさまで2020年〜2024年と5年連続で「登録ID数1,000以上の小売業」における導入数No.1(※東京商工リサーチ調べ)となりました。

全国展開しているスーパー、生活雑貨店、レンタルビデオ店、衣料品店、ホームセンター、映画館、空港、コールセンターなど幅広い業種の企業様に選ばれています。

(2)柔軟にカスタマイズが可能

選ばれる理由の一つが、カスタマイズの柔軟性です。

シフト管理においては企業ごとに設けている独自ルールや細かな要望があるかと思います。

アールシフトなら800を超える標準機能から独自にオーダーメイドが可能です。

「店内レジと屋外レジの違いを考慮して割り当てたい(ホームセンター向け)」

「薬剤師と登録販売者を確実にシフトに入れたい(ドラッグストア向け)」

といった業種特有のシフト管理方法も、標準機能で既に搭載されています。

標準機能だけでは対応しきれない個別カスタマイズにももちろん対応。

お客さまの企業特性を理解した上で、設定のチューニングを行ないます。

(3)シフト管理+人時生産性向上を同時に実現

アールシフトではレイバースケジューリング理論(LSP)や統計分析手法、AI手法などを全面採用。仕事と人をMH(人時)で把握し、ムリ・ムダ・ムラの最も少ない効率的なシフトを実現しました。

誰が使用してもスピーディに高精度なシフト表が作成できるよう、当社独自の最適化手法を備えています。

(4)直感的に操作できる現場志向のシステム

高精度なシステムでありながら、直感的な操作でシフトが自動作成できるよう、インターフェースにも徹底的にこだわりました。基本操作はマウスだけでOK。公休と有休の色分け表示や、白黒印刷したときの見やすさなど、現場の方々が求める機能を実装しています。

システム自体の素早いレスポンスも好評いただいております。

アールシフトでは、シフト管理システム導入を検討中の企業様向け体験利用プランや、メイン機能の使い勝手がわかるデモ動画を用意しています。

シフト管理方法について見直しを考えているご担当者さま、ぜひお気軽にお問い合わせください!

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